全国および都道府県別の保育園状況まとめ~現状と課題を考える~

全国および都道府県別の保育園状況まとめ

全国における保育園の状況は、少子化や地域差の影響を受け、多様な課題と向き合っています。本資料では、令和6年4月1日時点の全国および都道府県別の保育園に関するデータを基に、現状と課題を整理しました。特に都市部と地方部で異なる傾向が見られるため、それぞれの特徴を明らかにし、解決策を提案します。

全国の保育園状況(令和6年4月1日時点)

項目数値前年比
施設数39,805か所+216か所 (0.5%)
利用定員3,044,678人-6,250人 (0.2%)
利用児童数2,705,058人-12,277人 (0.5%)
待機児童数2,567人-113人
  • 定員充足率は88.8%で、前年より0.3ポイント減少。
  • 待機児童の91.1%が3歳未満児、特に1–2歳児が多い。

都道府県別保育園の現状

都道府県施設数利用定員利用児童数待機児童数定員充足率
北海道77948,18941,8332889.2%
青森県31919,48316,424084.7%
岩手県39523,67119,9152285.7%
宮城県40524,16921,6441892.9%
秋田県20715,87112,679282.0%
山形県29722,32618,600083.7%
福島県26520,19516,4451686.7%
茨城県74660,07452,599388.1%
栃木県41534,00328,460086.8%
群馬県33531,19427,5631288.2%
埼玉県1,38191,41283,78221792.5%
千葉県1,33892,98281,8935990.2%
東京都4,503328,747296,74036190.4%
神奈川県71750,04248,30818896.3%
新潟県51642,29133,379083.4%
富山県19419,75115,995081.9%
石川県23024,30919,682082.7%
福井県20318,23315,077081.9%
山梨県23118,85814,503076.6%
長野県49445,00533,8991376.3%
岐阜県42337,50229,413180.3%
静岡県61944,05738,570886.7%
愛知県933100,25078,0473881.3%
三重県47444,76537,98210884.8%
滋賀県36730,52927,93016992.1%
京都府28929,55325,9821490.1%
大阪府66361,08158,70111195.2%
兵庫県57347,13344,0445695.2%
奈良県22021,68219,12711287.1%
和歌山県14513,93911,920086.7%
鳥取県15212,83510,299081.1%
島根県23215,11213,551089.2%
岡山県22119,15416,4772490.7%
広島県32225,32220,010084.1%
山口県32123,71821,0591488.9%
徳島県22718,09815,173083.8%
香川県16214,87212,159083.3%
愛媛県27520,53516,534084.2%
高知県16712,3839,336079.9%
福岡県65860,30255,9615792.5%
佐賀県35226,06823,136688.8%
長崎県33120,30918,924090.3%
熊本県50134,35630,282491.8%
大分県24416,47513,984089.4%
宮崎県32420,95118,938091.4%
鹿児島県48727,43924,8411291.1%
沖縄県72552,18448,32433892.3%

課題と見解

地域別の課題

  • 都市部(東京都、大阪府など):
    • 待機児童数が依然として多く、特に1–2歳児を受け入れる施設が不足していることが顕著です。
    • 高い人口密度と共働き家庭の増加が、保育施設の需要を押し上げています。
    • 土地確保の難しさが新たな施設整備を妨げる要因となっています。
  • 地方部(東北地方、北陸地方など):
    • 過疎化と少子化の影響で利用児童数が減少し、既存の施設の統廃合が必要となるケースが増えています。
    • 利用率の低下により、地域住民のニーズに応じた柔軟な保育形態の導入が求められています。

全体的な対応策

  1. 需要に応じた施設整備:
    • 都市部では、1–2歳児向けの小規模保育施設や家庭的保育事業の推進が鍵となります。
    • 地方部では、人口動態を考慮した施設の効率的な統廃合や、多機能型施設の整備が必要です。
  2. 利用率向上のための施策:
    • 子育て世代への経済的支援や、保育料の減免措置を拡充することで、保育施設利用へのハードルを下げる
    • 多様な保育ニーズに対応するため、フレックスタイム制や一時保育の拡充を行う。
  3. 行政と地域の連携強化:
    • 行政と地域の連携を深め、地域の実情に合った施策を共同で策定・実行する。
    • 地域住民や保育士とのコミュニケーションを重視し、現場の声を政策に反映させる仕組みを構築する。

まとめ

全国の保育園の状況は、地域特性や人口動態によって大きな違いがあります。都市部では待機児童対策、地方部では施設統廃合の効率化が課題として挙げられます。行政と地域社会が連携し、柔軟な施策を実施することで、より多くの家庭が安心して利用できる保育環境を実現することが期待されます。

引用元

こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和6年4月1日)

厚生労働省統計情報「福祉行政報告例

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