小規模保育園は、保育園法に定められた「定員19人以下の保育園」を指します。小規模保育園は、保育園の中でも、より家庭的な雰囲気や、個々の子どもに合わせた保育を提供することができることが特徴です。
本記事では、小規模保育園のメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
小規模保育園とは
小規模保育園とは、保育園の中でも、正式に認可された定員が20人以下である保育園のことを指します。区立保育園など規模の大きい保育園と比較すると、保育する子どもの人数がだいぶ少ないため、子どもたちと保育士の距離が近くなります。
小規模保育園は、保育士が子どもたちとじっくり向き合い、一人ひとりの成長を見守ることができるため、子どもたちの個性を尊重し、きめ細かな保育が行えます。また、小規模であるため、園児同士のつながりも深くなり、家庭的な雰囲気が感じられることが多いです。
ただし、定員が少ないため、人気の小規模保育園だと入園希望者が多い場合は競争率が高くなります。また、経営的にも大変な場合があるため、安定した運営ができているかどうか難しいことがあります。
小規模保育園の中でも、A型B型C型に区切られ、それぞれの保育士に設置に関する条件などが違うのも特徴の一つです。
A型は保育者全員が保育士資格を必要とし、B型は保育士資格は半分以上、C型は保育士資格を持っていなくても働けるという特徴があります。ただし、保育士資格を持たない人は、自治体による研修を受けることが必要です。
小規模保育園と認可保育園の違い
小規模保育園と認可保育園で大きく違うのはその規模です。保育人数が20人以上ある園が多い認可保育園に対し、小規模保育園は20人以下の少人数で運営されます。
6歳の未就学児までのクラスがある認可保育園に対し、小規模保育園の場合は0歳から2歳児クラスまでの保育園も多く、だいぶ小規模で運営されている印象を受けるでしょう。
運営元を比べてみても違いがあります。認可保育所は、市町村、民間事業者、社会福祉法人などが運営している一方で、小規模保育園は、個人事業主やNPO法人、民間事業者など、運営形態が多様です。
小規模保育園のメリット・デメリット
小規模保育園のメリット
①家庭的な雰囲気
小規模保育園は、少人数で運営されるため、アットホームな雰囲気があります。先生と子どもたちとの距離も近く、個々の子どもに合わせた保育を提供することができます。子どもたちも安心して過ごすことができるため、保育によるストレスを感じることが少ないでしょう。
②乳児保育を経験できる
小規模保育園では、それぞれのクラスの担当は決められているものの、0歳から2歳児クラスすべての子どもたちと関わる機会があります。なので、乳児の保育にも実践的に関わるチャンスがあるのも、実務経験をつけるという意味でメリットとして挙げられます。
③大きい園に比べて行事も小規模
小規模保育園は、通常の保育園に比べて人数が少ないゆえに行事も小規模です。子どもの年齢層も低いので、できる行事も限られるため、年間行事が少ない園もあります。働く側としては、それだけ業務が減ると考えられるため、メリットとしてあげられるでしょう。
小規模保育園のデメリット
①就学まで見届けられない
小規模保育園は、2歳児クラスまでの園が多いため、3歳で卒園となってしまいます。そのため、普通の保育園のように就学前まで成長を見届ける事ができません。乳児期の成長は見守ることができますが、さらに成長してお兄さんお姉さんになった晴れ姿が見られないのは、保育士にとって、寂しさを感じるポイントかもしれません。
②設備が限られる
小規模保育園は、規模が小さいため、保育園全体の設備が限られることがあります。そのため、運動や遊びの場が少ない場合があるなど、保育内容に制限が出ることがあります。また、施設自体が狭い場合もあり、子どもたちの遊び場が少ないこともあるため、保育園の設備や環境について、しっかりと考慮して運営しましょう。
③保育士の数が少ない
小規模保育園は、条件によって保育士資格をもつ職員の数が少ないため、資格のある保育士1人あたりの子どもの数が多くなる場合があります。資格のあるものしかできない仕事が、負担になりすぎていないか、しっかり共有して確認し合える環境を作るのも大切です。
まとめ
小規模特有のアットホームな保育園作りができる小規模保育園。メリットやデメリットを紹介しましたが、保育園としての役割はなくてはならない存在です。
保育士と保護者との距離が近く、家庭と保育園両方の視点から子どもの成長を見守ることができる保育園です。
大きな園より、小規模で運営したい、働きたいと考える方は、小規模保育園の仕事がおすすめです。